日本人の食道がんは、約半数が胸部食道の真ん中から,次に1/4が食道の下1/3に発生します。
食道がんは食道の内面をおおっている粘膜の表面にある上皮から発生します。
食道の内面をおおっている粘膜から発生したがんは,大きくなると粘膜下層に広がり,さらにその下の筋層に入り込みます。
さらに大きくなると食道壁を貫いて食道の外まで広がっていきます。
食道の周囲には気管・気管支や肺,大動脈,心臓など重要な臓器が近接しているので,がんが進行しさらに大きくなるとこれら周囲臓器へと広がります.
食道壁の中と周囲にはリンパ管や血管が非常に豊富です。
がんはリンパ液や血液の流れに入り込んで食道を離れ,食道とは別のところに流れ着いてそこで増えはじめます。
これを転移といいます。
リンパの流れで転移したがんは,リンパ節にたどり着いて塊をつくります。
食道のまわりのリンパ節だけではなく,腹部や首のリンパ節に転移することもあります。
血液の流れに入り込んだがんは,肝臓,肺,骨などに転移します。