食道がんと終末期医療

食道がんが進行すると、どんな治療をもってしても、完治は非常に困難なものになってきます。

治療は完治目的のものから、終末期医療へと変わっていきます。

死を安らかに迎えるためのケアへとシフトしていくのです。

終末期治療では、末期の代表的な症状である激しい痛みを緩和することを中心に行われます。

余命を快適に過ごすことができるようような対策が必要となってくるのです。

がんが末期状態になると、がんと共存しながら余命を過ごして行く事となるのです。

手術や放射線治療、抗がん剤などによる闘病で体力がなくなり、ベットから離れられなくなってしまう方もいます。

食道がんが骨に転移してしまったら、激しい痛みを感じることも多くなるもの。モルヒネなどで痛みを緩和しつつ、最期の時を過ごすことになります。

身体的苦痛、精神的苦痛を取り去ることが、終末期医療の最も重要な役割となってくるのです。

ですから、痛みによる苦痛を和らげることによって、静かな心で静かな時を送ることができるようになるのです。

さらに、食道がんでの終末期医療は、自宅で行うか、ホスピスなどの専門病院で過ごすかという選択も必要となってきます。

どちらを選択してもメリット・デメリットはあります。

自宅での終末期医療は、住み慣れた場所で家族に囲まれながら寛いだ環境の中で過ごすことができるというメリットがあります。

その一方で、医師の往診や看護士の出張看護による医療サポートなどを受けるこの方法は、支える家族にとってはかなり大変なこと。介護の苦労も大きいものです。

食道がんの末期となると、多くの場合、余命は半年ほどと言われています。

最期の時をどのような形で迎えるのか、どのような過ごし方が患者や家族にとって最良なのかをよく話し、家族や医師そして患者自身の意見も考慮して、選択することが大切なことなのです。





            gn-20080815-10.gif