食道にできたがんは食道がんになりますが、この呼び方とは別に、がんの形や大きさで分ける方法があります。
分類では、「扁平上皮がん」、「腺がん」、「小細胞がん」、「大細胞がん」、「腺扁平上皮がん」などに分けられます。
扁平上皮がんは、皮膚の細胞によく似ていて、早い段階での転移もなく、放射線や抗がん剤も比較的効きやすいがんです。
腺がんは、がん細胞が密集して、固まっていることが多く、放射線や抗がん剤は効きにくいです。
小細胞がんは、文字通り小さながんで、治りにくいのが特徴です。
大細胞がんは、扁平上皮がん、腺がんの区別がない、発展途上のがんです。
腺扁平上皮がんは、腺がんと扁平上皮がんの両方の性質を持ち合わせています。
また「分化がん」と「未分化がん」という分け方もあります。
分化がんというのは、成熟しているがんで、扁平上皮がんや腺がんは、「分化がん」に入ります。
未分化がんは、成熟が不十分なため、幼いがんです。
分化がんは、すでに成熟しているので、それ以上進行する余地は少なく、浸潤や転移が少ないのに対し、未分化がんは発育が早く、転移もしやすいという特徴があります。
小細胞がん、大細胞がんは未分化がんに分類されます。
日本人は、圧倒的に扁平上皮がんが多く、日本人の食道がんも扁平上皮がんが大半を占めます。