がんの原因のひとつではないかと考えられているのが、遺伝です。
食道がんの場合は、がんそのものの遺伝性ではなく、食道がんになりやすい体質の遺伝という面が指摘されています。そにひとつがアルコールの分解能力です。
食道がんの原因のひとつに、飲酒が挙げられています。
過度な飲酒や喫煙との併用などが食道の粘膜を傷つけることはよく知られていますが、飲酒にはもうひとつ注意すべき点があります。お酒を飲んだときに顔が赤くなる場合です。
アルコールは、発がん性があるという指摘がされています。
通常、アルコールは消化酵素によって分解されますが、しかしこの分解の速さは、人によってさまざまです。
お酒を飲んで顔が赤くなる人は、分解が間に合わず、アルデヒドという発がん性物質が体内に残ってしまうことになるのです。
食道は、このアルデヒドの影響を受けやすい部分であり、そのため飲酒が食道がんの原因になりうるのです。
分解酵素は体質によるものであり、日本人は比較的この分解能力が弱いと言われています。
お酒に弱いという自覚がある方、顔が赤くなるとよく言われる方は、飲酒の量を考えるとよいでしょう。
食道がんの原因は遺伝だけに求められるものではなく、生活習慣にも大きく影響する部分があります。
食道がんになるリスクが高いと考えられている、喫煙や飲酒という日常の習慣が家族で共有されていれば、食道がんにかかる可能性も等しく高くなるということになります。
食道がんで気をつけなければならない熱い飲食物や、辛味の強い味付けの料理などを日常的に味わうことが多い家族であれば、全員にがんのリスクが同じように高まります。