食道がんの診断

身体所見

早期がんの場合はそれに伴う身体所見はほとんどありませんが、進行がんでは、ときに右もしくは左の鎖骨上部リンパ節腫大を認めます。反回神経麻痺による嗄声を認めることもあります。


画像所見

食道造
硫酸バリウムをのみX線撮影を行う方法で、比較的簡便にがんによる食道の狭窄、変形を描出することができますが、早期癌の診断は困難です。

内視鏡
進行癌のみならず粘膜面にとどまる早期がんの診断に有用です。

内視鏡検査とあわせて行う生検による病理学的診断が食道がんの確定診断となります。

内視鏡で見ただけでは癌がわかりにくいため、ヨードを用いた染色が一般的に行われています。

がん細胞は正常細胞と比較してグリコーゲンが少なく、染色されず白い状態となっているため、癌の存在部位を的確に知ることができます。

超音波内視鏡検査
食道がんの深達度を判断するために施行されます。周囲リンパ節への転移も評価できます。

食道がんの深達度診断は進行期を決定して治療方針を検討するために重要です。

CT(コンピュータトモグラフィー
食道がんの周囲組織への浸潤やリンパ節、遠隔臓器への転移の有無を診断し、進行期を診断するために行われます。

食道がんはリンパ節転移や遠隔転移をきたす頻度が高いため、進行がんでは必須の検査です。

PET
CTによる判断が困難な転移巣の評価に有用です。2006年4月から保険適応の検査となりました。

腫瘍マーカー
食道がんに関しては、診断、治療効果判定、予後評価のいずれかにでも役立つ物は少ないですが、SCC、CEAなどが比較的よく用いられています。




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