食道がんの外科療法

胸部食道癌

 原則的に胸部食道を全切除します 。同時に胸部のリンパ節を摘出します。

胸の中にある食道を切除するために、右側の胸を開きます。

当院では胸腔鏡を使って開胸せずに 食道を切除する方法も開始しています。

開胸を行わずに 頸部と腹部を切開し食道を引き抜く術式もあります。この術式では 食道の周囲のリンパ節を切除できません。


腹部食道癌

 腹部食道の癌に対しては、左側を開胸して食道の下部と胃の噴門部を切除します。左側の開胸による手術は胸部・下部食道癌で肺機能の悪い人にも行われることがあります。

これは、左開胸による手術のほうが、右開胸の手術よりも、手術としての侵襲が小さいとされているためです。

ただし、左開胸からのアプローチでは、上・中縦隔のリンパ節を郭清することは困難です。


外科療法の合併症

 手術に続いて発生する余病(合併症)は 肺炎、縫合不全 、肝・腎・心障害です。

これらの合併症が死につながる率、すなわち手術死亡率 (手術後1ヵ月以内に死亡する割合)は3~5%です。これは、ほかの臓器の手術に比べ、格段に高い割合となっています。

これらの発生率は、手術前に他の臓器に障害をもっている人では さらに高くなります。




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