逆流性食道炎を引き起こす原因は?

逆流性食道炎は、胃に入った食物が食道へ逆流することで起こります。
なぜ、食物が胃から食道へ逆流するのでしょうか。
この原因には、次のようなことが挙げられます。

一番大きな原因は、食道括約筋や横隔膜の働きによって閉じていた、胃と食道の境目が緩んでしまうことです。
実は食道括約筋や横隔膜の圧力は、年齢とともに力が弱くなっていくことが分かっています。
食道はこの二つの力によって締められていますから、これらが緩くなると、食べ物を飲み込む時に開いた食道が、なかなか閉じなくなるのです。
そのため胃から逆流が起こりやすくなります。
また、胃が食道側へはみ出してしまう、食道裂孔ヘルニアという症状がありますが、この症状も横隔膜の圧力が弱くなることで起こります。
胃が食道側にはみ出た状態になりますから、逆流は当然ひどくなります。

二つ目の原因は、食道のぜん動運動が鈍くなることで、食物を胃へ運ぶ機能が低下することです。
こちらも加齢による影響が大きいとされています。
食べた物は、もちろん重力によって下に降りていきますが、食道のぜん動運動が活発に行われることで、食物がスムーズに胃に送り込まれます。
そのため食道のぜん動運動が低下すると、胸の辺りに食べ物が詰まったような感覚になりやすいのです。
また、胃から逆流した食物を戻すこともできなくなるので、逆流した食物がのど元まで上がってくることもあります。

三つ目は、胃からの圧力が上がることです。
炭酸飲料を一気に飲んだり、食べ過ぎたりすると、胃の圧力が一時的に上がり、ゲップがでたり胃酸が戻るような感覚になることがあるでしょう。
胃の圧力は食事の量や内容などによっては、誰でも一時的に上昇することがありますが、繰り返すことで逆流性食道炎を起こしやすくなりますので、注意が必要です。

次の章では、こうした原因に陥りやすい人について、詳しく見ていきましょう。