食道がんの手術後

食道癌の手術では肺へ行く神経を切断することが多く、そのため術後に痰がたくさんでてそのため肺炎になる人が多かったのですが、最近では術後に気管支鏡を用いて呼吸管理をするなどの管理方法が向上し、成績が向上してきました。しかし、術直後はかなり綿密な管理が必要でそのためICU(集中治療室)を使うばあいが多いです。

もちろんICUなしでやっている施設もあります。本人も診断がついたら(もし吸っていれば)たばこをやめ、手術が決まって入院後は、できれば器具を使ったり、運動をして肺機能を高め、術後しっかり咳をして痰を自ら出すための訓練をしておく必要があります。

いずれにしろ術直後は人工呼吸器が使われることが大多数です。また自分で呼吸できるようになっても、痰をとるための細い管を気管に入れたり、気管切開が必要になる患者さんもあります。このようなことを術前によく説明しておいてもらうことが大事です。

術後数日で食道の代わりのものと食道の残りや、咽頭をつないだ場所がほころびることがあり、つばや食事がもれるのでこれが最もやっかいな合併症です。たいていは管をいれたり、傷をすこし開いたりして対処可能ですが、重症となることもあります。

食事ができるようになるまでは2週間ほどかかります。
食事は一度にたくさん食べれないので、自分の食事の仕方を修得する必要があります

退院は術後の治療がなければ術後3週間ー1ヶ月ぐらいから可能となります

術後の発熱が続き、本人の状態もよくない場合は、術後の肺炎または縫い目のほころびによる感染が疑われ、多くは集中治療室での管理が必要です。

人工呼吸、気管切開、気管支鏡による痰の吸引がされることが多いです。敗血症や、ARDS(呼吸状態が悪いこと)の状態であると、生命の危険があり、強心剤を始めとする多くの薬が投与されることが多いです。

このような状態ですと、家族も大変心配ですが、本人の状況について毎日詳しく説明を求めて、状況をよく把握するべきでしょう。このような状態にならないため、またなっても対処が迅速に行われるということで、ある程度症例の多い病院を選ぶべき疾患だといえます。