逆流性食道炎と年齢の関係

逆流性食道炎は、胃の中にある胃酸が食道に逆流してそこに留まるために食道粘膜が炎症を起こす病気です。

健康な人は、胃と食道の境目にある筋肉の働きのおかげで胃の中にある消化途中の食べ物が逆流することがありません。ところが、この筋肉が弱くなると胃酸が逆流してしまいます。げっぷや胃もたれが起きやすいので年寄りに多い病気のイメージを持たれがちです。実際に、年齢的に筋肉が弱って来た高齢者の方が若い人より発生しやすい病気です。しかし、最近では若い人でも逆流性食道炎にかかる人が増えており、年齢と病気の相関性が崩れています。

原因の一つに挙げられるのが栄養バランスを考えない食生活です。脂肪分の多いおかずや甘いものが好きな人、暴飲暴食や過度のアルコール摂取などの習慣がある人は、年齢に関係なく逆流性食道炎を発症しやすくなります。

生活習慣が逆流性食道炎を招いている場合もあります。食べてすぐ横になる癖がある人や、日頃から腹部を圧迫する姿勢を長く取る生活を続けている人は逆流性食道炎にかかりやすくなります。

ストレスも逆流性食道炎の原因の一つです。強いストレスを受け続けると自律神経が乱れます。その結果、胃酸の分泌や胃の働きが衰えて逆流性食道炎を発症します。

このように、胃液が逆流するのは年寄りの病気と思われていたのは過去の話。逆流性食道炎は、現代人にとって若年齢から発症するリスクのある病気なのです。男性に多いイメージのある病気ですが、肥満や妊娠などが原因となって女性で発症する人も少なくありません。

胃の調子が悪いのを見過ごしているうちに症状が進み、いざ治療を受けようとするとすでに症状が悪化している場合が多いのもこの病気の特徴です。逆流性食道炎かもしれないと思ったら早めに適切な治療を受けることが大切です。