食道狭窄(しょくどうきょうさく)

食道狭窄の主な症状
 食道狭窄(ショクドウキョウサク)とは、食道ガンの手術後や放射線治療後、胃切除後の食道炎から潰瘍(カイヨウ)ができてしまった場合などに、治癒の過程でその部分だけが引きつれて食道の内腔が狭くなってしまった状態です。ただし、最近では潰瘍に対しPPI(プロトンポンプ阻害薬)を使うため、食道狭窄を起こすことはほとんどなくなっています。
 食道静脈瘤(ショクドウジョウミャクリュウ)の治療で、硬化剤を入れた部分に瘢痕狭窄(ハンコンキョウサク)が起こる場合もあります。食道の通りが悪くなってしまうと、食物がつかえてしまい、時に痛みが起こる場合があります。


食道狭窄の検査方法
 自覚症状として、食べ物が飲み込みにくくなる嚥下障害(エンゲショウガイ)があれば、バリウム検査、内視鏡検査、食道の外側の診断のためCT検査を行います。


食道狭窄の治療方法

 専用のバルーン(風船)を使って、狭くなった部分を広げますが、場合によっては手術が必要になることもあります。なお、食道が狭くなっていても、腫瘍(シュヨウ)による狭窄(キョウサク)には、」このような治療は行いません。悪性化した組織は硬いので、バルーンを使っても広がらないからです。
 ガンによる狭窄の場合は、手術で狭窄部を切除して胃とつなぎますが、胃と食道のつなぎ目の噴門(フンモン)がなくなってしまうので、逆流による誤嚥性肺炎(ゴエンセイハイエン)を起こしやすくなります。
 合併症などがあり、手術ができない場合には、内視鏡を使って、狭くなっているところに網目状のステントを入れて、少しずつ広げていく治療を行います。効果は一時的ですが、食べ物や水分が通るようになるので、口から食べることができ、患者さんの生活の質が期待できます。


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