食道がんの発生には、飲酒、喫煙、ストレス、ホルモンなどが深くかかわっています。
飲酒は、食道がんに限らず、ほかのがんでも原因のひとつとして考えられていますが、食道は特に食べ物や水分を通す器官であることから、飲酒の影響は小さくありません。
アルコールに弱い人ほど、飲酒によって食道がんの発生率が高まります。
強いアルコールは食道の内側の壁の粘膜を傷つけるので、それがリスクを高めることになりますが、アルコールの強弱よりも飲酒量のほうが深い関係があるようです。
生活習慣の異なる国によって食道がんの発症率が違うというデータがあります。
カスピ海沿岸やチリ、中国、日本は比較的発症率が高くなっています。
カスピ海沿岸は飲料水に問題があるのではないかと言われています。その地方の土には土中のコバルト含有量が多く、それが地下水に流れているためと考えられています。
中国は、古い漬物を食べる習慣があり、その中に含まれるカビが原因だと言われています。
日本では、熱い食べ物を食べることが深く関係していると考えられています。
日本では、うどんやそば、味噌汁などを冷めないうちに食べる習慣があるので、その分、食道の粘膜を傷つけやすいのです。
日本の中では、焼酎を飲む鹿児島や沖縄、日本酒を飲む東北地方に食道がんが多いと言われています。